経理代行の料金相場を記帳・支払・給与の業務別に分解する

経理代行の料金相場は記帳・支払・給与など各業務の作業時間の合計で決まり、記帳を含む経理業務を一通り任せた製造業の見積は月50時間でした。支払と給与の連携も含めたこの業務量なら、50時間パックの月16.5万円が目安です。時間がかかるのは、仕訳の登録より入金の確認です。
以下では、その見積の中身を記帳・支払・給与などに分け、時間を左右する数とヒアリングで確かめる項目を同じ順に解説します。自社の件数に置き換えて月額の見当をつける手順まで示します。年商3億〜80億円、経理担当1〜3名の会社を想定しています。
経理代行の料金相場は任せる業務の時間の合計で決まる
業務別に料金を比べるときの基準は、各業務にかかる作業時間です。経理コンシェルジュの月額は時間パックで、代表的な規模は50時間で月16.5万円です。
経理代行の料金相場を業務別に読むときは、額面より先に、どの業務に何時間を見込んだかを確かめます。他社の見積と並べるときも、同じ業務に何時間を見込んだかを比べれば、額面の差の理由がつかめます。
下の表は、記帳から支払、給与の連携までを一通り任せる前提で出した、従業員約50名の製造業の見積の中身です。月の仕訳は2,500件程度、総合振込は仕入の分だけで50件前後あり、ダブルチェックを前提に月50時間と見立てました。
時間がかかるのは、件数の多い記帳より、入金を請求と突き合わせる確認の作業です。件数の多さと時間の重さは比例しないため、件数だけで外注先の料金を比べると判断を誤りやすくなります。
自社の数字を表と見比べれば、経理代行の料金を自社に置き換えた相場の見当がつきます。表より件数が大きく多い業務があれば、その分だけ時間が延び、50時間より大きいパックが候補に入ります。
表の順序は、見積の前のヒアリングで確かめる項目と同じにしました。記帳、売上と入金、支払、給与、経費精算、月次の締めの順に件数を書き出しておくと、見積を依頼する準備がそのまま整います。
表の50時間は月額の時間パックの分で、初期費用とクラウド会計の初期設定は別に見積もりました。他社の月額と比べるときも、記帳や支払、給与のどこまでが月額に入るかをそろえておきます。
| 業務 | ヒアリングで確かめる数 | 製造業の見積での中身 |
|---|---|---|
| 記帳 | 口座の数、カードの枚数、月の仕訳数 | 仕訳は月2,500件程度。登録そのものの時間は大きくない |
| 売上・入金 | 入金の件数と消込の流れ | 入金の確認に時間がかかる |
| 支払 | 請求書の受け取り件数、振込の件数 | 総合振込は仕入50件前後、共通12件、その他10件程度 |
| 給与 | 対象人数、固定給と時間給・シフト勤務の比率、賞与の有無 | 給与連携を月額に含める |
| 経費精算 | 対象人数と月の件数 | 経費精算の処理を月額に含める |
| 月次の締め | 定例業務の一覧と担当者・頻度・所要時間 | ― |
| 合計 | ― | 月50時間(50時間パックの規模) |
※製造業の例は、業務ヒアリングをもとに出した見積の中身で、4〜6か月後を目安に段階的に時間を減らす計画です。経理コンシェルジュの50時間パックは月16.5万円で、自社の月額は同じ順で件数を確かめたうえで決まります。
記帳の時間は仕訳数に加えて口座とカードの照合で決まる
記帳の時間を見積もる出発点は、使っている銀行口座とクレジットカードの数、そして月の仕訳数の3つです。グループ会社がある場合は、その口座も数に入れます。記帳の量は、まずこの3つの数でつかみます。
口座やカードが1つ加わるたびに、その明細を取り込んで帳簿と照らし合わせる作業が月ごとに生まれます。会計ソフトと連携していない口座は、明細を手で入力する分だけ時間が延びます。
記帳代行の料金は、仕訳の件数で決まるのが一般的です。経理代行の料金相場はその仕訳を含む作業時間で決まるため、仕訳数だけで比べると外れやすくなります。
仕訳数に表れない作業とは、摘要だけでは中身が分からない取引の問い合わせや、勘定科目の判断に迷う取引の確かめです。部門別に数字を分けたい組織では、仕訳ごとに部門を付ける手間も記帳の時間に加わります。
記帳にかかる時間は、資料がそろう時期にも左右されます。領収書や請求書が月末にまとめて届く職場では、締めの直前に作業が集中し、問い合わせの往復も増えます。
口座数と仕訳数を先に書き出しておけば、見積のうち記帳にあたる部分を経理代行の料金相場と照らし合わせられます。数えるときは通帳やカードの明細を手元に置くと、漏れが出にくくなります。
製造業の例でも、仕訳が月2,500件程度ありながら、登録そのものには大きな時間を要しませんでした。時間を大きく左右することがあるのは、次に取り上げる入金のチェックです。
記帳の作業を減らしたいときは、口座とカードの連携を整え、資料の届く日を決めておくのが先です。記帳の手前の段取りが整うほど、外部に払う時間は短くなります。連携の設定が済んでいない口座が残っていないかも、あわせて確かめておくと安心です。
入金の確認と売掛金の消込が月の時間を大きく左右する
売上と入金の業務には、請求書の発行、入金の確認、売掛金の消込が含まれます。入金を一件ずつ請求と突き合わせる作業は、件数が増えるほど時間が延びます。請求書の発行件数が多い月は、入金の件数もそれに合わせて増えます。
製造業の例で時間がかかると見たのも、入金のチェックでした。仕訳を登録するより、入ってきたお金がどの請求に対するものかを確かめるほうが手間がかかります。
経理代行の料金相場を業務別に見ると、記帳の比重が大きいと考えがちです。時間の配分を確かめると、入金の照合や消込のように照らし合わせる作業に偏っていることがあります。
振込の名義と請求先の名前が一致しない入金や、複数の請求をまとめた入金が混じると、確認に時間がかかります。内訳が分からない入金は、取引先に確かめるまで消込を終えられません。
立ち上げの時期は、手順が固まるまで確認の往復が多くなりがちです。先の製造業でも時間を固定せず、4〜6か月後を目安に段階的に減らす計画にしました。
入金の件数が多い組織ほど、見積の中で売上と入金の部分が膨らみ、経理代行の料金が相場より高く見えることがあります。請求書の宛名や振込名義の決まりを取引先とそろえておくと、照らし合わせる時間を縮められます。
請求書の発行を任せるときは、発行の件数と送り方も時間の見積に入ります。発行と入金の確認を同じ担当者が受け持てば、請求と入金の突き合わせが一か所で済みます。
入金の照合は、取引先の数より入金の件数で時間が決まります。取引先が少なくても、分割の入金や都度の振込が多ければ、照らし合わせる回数は増えます。入金の予定を取引先ごとに一覧にしておくと、照合の手がかりが増えます。
支払の作業時間は振込件数と請求書の受け取り方で変わる
支払の業務は、届いた請求書を受け取って内容を確かめ、振込データを作るまでの流れです。時間を左右するのは、請求書の受け取り件数と、総合振込にまとめる振込の件数です。請求書が届いてから振込日までの日数が短いほど、作業は月末に詰まります。
製造業の見積では、仕入の50件前後に共通の12件、その他の10件程度を加えた総合振込を、入力とは別の担当者が照合するダブルチェックを前提に作業時間を見込みました。件数がこの規模になると、振込データの作成と照合だけでまとまった時間が要ります。
支払を含めて任せる経理代行の料金相場は、請求書の受け取り方の数でも変わります。紙、メール、取引先のシステムと受け取り方が分かれるほど、請求書を集めて確かめる時間が延びます。
請求書の受け取り件数に加え、費用を部門別にどこまで細かく分けるかも依頼の前に確かめます。分ける粒度が細かいほど、一枚ごとの仕訳に判断が加わります。
振込データは作成と予約までを外部が受け持ち、最終の承認と振込の実行は社内に残します。お金を動かす最後の操作を社内で押さえておけば、任せる範囲が広がっても安心して管理できます。
支払の件数が月ごとに大きく変動するなら、多い月の件数を基準に時間を見積もると、経理代行の料金を相場と比べたときに判断を誤りにくくなります。支払日をまとめて振込の回数を減らせば、作成と照合の手間も減ります。
照合の時間も支払の作業時間に含めて見積もるのが、間違いの少ない振込を続ける前提です。見積に照合の時間が入っているかどうかは、内訳を見れば確かめられます。
支払の件数を数えるときは、毎月同じ相手への振込と、月ごとに変わる振込を分けておきます。同じ相手への振込が多いほど、月ごとの時間の変動は小さくなり、見積も読みやすくなります。
給与と経費精算の時間は対象人数と支給の形で読む
給与の業務は、勤怠の集計から支給額の計算、会計への連携までを含みます。時間を左右するのは対象人数ですが、人数が同じでも支給の形によって手間は大きく変わります。
依頼の前には、給与の対象人数とあわせて支給の形を確かめます。製造業の例でも、対象者を固定給と時間給・シフト勤務に分けて比率を聞き、賞与の有無も確かめたうえで、その連携を月50時間の中に含めました。
給与まで含めて経理代行の料金を相場と比べるときは、対象人数だけをそろえても足りません。固定給が中心の職場と、シフト勤務の多い職場とでは、同じ人数でも月の作業時間に差が出ます。
経費精算は、対象人数と月の件数の両方で時間が決まります。申請する人が多く、一人あたりの件数も多い組織では、領収書と申請内容の突き合わせが積み上がります。
精算の規定が細かく決まっていれば、判断に迷う申請が減り、処理は滞りなく進みます。規定に書かれていない経費が多いと、一件ずつ社内に確かめる時間が加わります。
給与と経費精算を合わせた時間を出しておくと、人にまつわる業務の分を経理代行の料金相場と比べられます。対象人数が増える時期を見込んでいるなら、その人数で時間を見積もり直しておくと安心です。
精算の件数は、申請の締め日をそろえるだけでも月ごとの偏りが小さくなり、確認の時間が読みやすくなります。締め日を過ぎた申請の扱いも、あわせて決めておくと迷いません。
月次の締めでは、試算表の作成のように毎月繰り返す定例の作業を書き出し、誰がどの頻度で行っているかを添えます。定例の作業が見えていると、支払や締めの作業と重なる月末の時間の配分も組み立てやすくなります。
月額に入る作業と社内に残す作業の分け方
時間パックの月額に入るのは、契約で決めた業務の作業時間です。製造業の見積では、記帳、入出金の確認、売掛金の消込、総合振込のデータ作成、経費精算の処理、給与の連携を月額の対象にしました。
受けられる業務は、勤怠管理や請求書の作成と送付、試算表の作成にも広がります。一方で、振込を最終的に承認して実行する操作と、書類の現物の管理は社内に残るため、その時間は料金に入りません。外に出す範囲は業務単位で選べるため、全部を一度に任せる必要はありません。
任せる範囲があいまいなまま始めると、経理代行の料金相場と比べて安く見えた見積が、運用の途中で合わなくなります。どの作業を外に出し、どの作業を社内に残すかを、作業単位で書き分けておく必要があります。
時間パックで契約したイベント運営会社では、外部の委託先から届く請求を、経理を受け持つ担当がCCで受け取るか、メールの内容をフォルダに反映する方法で引き受けました。現場に格納の作業を増やさない代わりに、その工数は料金に反映する前提で合意しています。
社内に残る作業を少なくするほど外部の時間は増えるため、経理代行の料金相場と比べるときは任せる範囲をそろえておきます。費用と社内の手間のどちらを減らしたいかを先に決めておくと、判断に迷いません。
現場の負担を減らす工夫は、そのまま外部の作業時間に置き換わります。引き受けてほしい作業がある場合は、見積の段階で伝えておくと、運用が始まってからの月額の見直しを避けられます。
分担を書き分けるときは、表の6つの業務それぞれに外部、社内、両方のどれかを付けていくと、抜けや重なりが見つかります。両方に付いた作業は、誰が最後に確かめるかまで決めておきます。
- 外部:明細の取り込みと記帳、消込、支払の振込データの作成と予約など、手順が決まった作業
- 社内:振込の承認と実行、書類の現物の管理
- 両方:判断に迷う取引の確認(最後に確かめる人を決めておく)
経理代行の料金相場を自社の件数で見積もる手順
自社の件数で見積もる準備は、口座、カード、仕訳の3つの数を数えることから始まります。続けて表の順序に沿って各業務の月の件数を書き出し、製造業の例の数と見比べます。
製造業のヒアリングでは、会計ソフトや経費精算アプリ、工事管理システムの画面を共有しながら件数を確かめました。手元で数えきれない業務も、画面を見ながら一緒に数えられます。
経理代行の料金相場を自社に当てはめるときは、任せる業務の範囲と件数が例に近いかどうかで目安の置き方を変えます。範囲も件数も近ければ月50時間が目安になり、件数の多い業務が重なるほど月100時間、月33万円に近づきます。
当社の実案件では、想定の1.5倍を超える金額は検討されずに終わります。想定とかけ離れた金額が出たときは、どの業務の時間が長いのかを尋ねると、ずれの原因が分かります。
時間パック制で月額が決まる仕組みと初期費用の考え方は、経理代行の費用の相場と内訳、時間パック制で見る本当の金額で扱っています。業務別に分けた経理代行の料金相場と合わせて読むと、見積の数字を総額と業務単位の両方で確かめられます。
作業自体は軽い業務を受けた案件でも、当社は最低10時間で提示し、初めの月に測った時間で見直す方針でした。参照式を組めば数分で終わる作業でも、今の流れが見えないうちは、どこまで縮めるかを約束しませんでした。
経理コンシェルジュでは、見積の前のヒアリングに担当予定のスタッフが同席することがあり、件数を実務の担い手に直接伝えられます。業務別の時間を確かめる流れは、次の5段階です。
- 口座の数、カードの枚数、月の仕訳数を数える
- 記帳、売上・入金、支払、給与、経費精算、月次の締めの順に月の件数を書き出す
- 製造業の例の数と並べ、件数が大きく離れている業務に印を付ける
- 業務ごとの時間の内訳が付いた見積を依頼する
- 初めの月に測った時間で契約時間を見直す
記帳代行と経理代行では、料金の決まり方がどう違いますか
記帳代行は仕訳の件数をもとに料金を決めるのが一般的です。時間パック制の経理代行では、記帳のほか入金の確認や支払、給与の連携まで、任せる業務ごとの作業時間を合計して月額を決めます。
50時間パックより小さい規模でも頼めますか
小さい規模の業務も、まず作業時間を見積もります。経理コンシェルジュでは、作業の軽い業務を受けた案件でも最低10時間で提示し、初めの月の実測をもとに時間を見直す方針をとりました。
見積の前に何を用意すればよいですか
銀行口座の数、クレジットカードの枚数、月の仕訳数をまず数えてください。続けて、入金・支払・給与・経費精算・月次の締めといった業務ごとに月の件数を書き出しておくと、見積の内訳を確かめやすくなります。




経理コンシェルジュ事務局からのコメント
経理代行の料金相場を自社の数字で知りたいときは、口座とカードの数、月の仕訳数をそろえるところから始めてください。業務ごとの件数がそろえば、記帳や支払、給与にそれぞれ何時間かかるかを並べた見積をお出しできます。
経理代行の料金相場を見比べて迷ったら、どの業務に何時間を見込んでいるかを遠慮なく尋ねてください。社内に残す作業と外に出す作業の分担も、見積の前に一緒に整理します。