経理代行の費用の相場と内訳、時間パック制で見る本当の金額

経理代行の費用の相場と内訳、時間パック制で見る本当の金額

経理代行の費用の本当の相場は、任せる作業に月何時間かかるかで決まり、当社の受注例では月50時間で月16.5万円です。公表されている相場は金額の決め方がそろっていないため、内訳を見ずに額面だけを比べても自社の金額は見えてきません。

以下では、料金の単位の違い、業務別の内訳の読み方、時間パックで月額が決まる仕組みを順に解説します。年商3億〜80億円で、経理担当が1〜3名の会社を想定しています。

監修者:山下 健一(株式会社タックスコム代表)
日本で唯一、税理士業界を3方向(お客様の声、帳簿の中身、事務所の内情)から見てきた税理士コンシェルジュ。税理士紹介を20年。税理士を探す社長の声を、今も聞き続けています。帳簿の中身は経理の代行で、事務所の内情は1,600名以上の所長面談で見てきました。税理士でも会計士でもない第三者だから話せる裏側を、お伝えします。

経理代行の費用は任せる作業の時間数で決まる

経理を外部に任せるとき、毎月の支払額を左右するのは、記帳や振込データの作成に何時間かかるかという作業量です。仕訳の件数や会社の規模は、その時間を見積もるための手がかりとして使われます。

作業時間には、手を動かす入力だけでなく、不明な取引を確かめる問い合わせや、二人目による照合の時間も含まれます。目に見える処理量より、確認にかかる時間が金額を押し上げることも珍しくありません。

外注の検討を始めた経営者がまず知りたいのは、月にいくら払えば経理が回るかという一点です。その答えは、会社ごとの作業の量と中身を見なければ出せません。

時間で料金を決める経理代行の費用は、月に何時間ぶんの作業を頼むかでほぼ決まります。経理コンシェルジュの時間パックでは、月50時間で月16.5万円、月100時間で月33万円です。

時間で決まる以上、金額を下げる手段は作業そのものを減らすことに絞られます。資料の置き場がばらばらで探す時間が長い組織ほど、仕訳の数が同じでも作業時間は膨らみます。

任せる範囲を広げれば月の時間数は増え、狭めれば減ります。月額を考えるときは、どこまでを外に出すかを先に決めておくと話が早く進みます。

社内の段取りを整えるほど、外部に払う経理代行の費用は抑えやすくなります。承認の期限や資料の提出日を社内で決めている企業は、同じ作業を短い時間で終えられます。

作業時間の多くを占めるのは、毎月繰り返す記帳、入出金の確認、売掛金の消込、振込データの作成です。いずれも件数に応じて増えるため、件数の多い業務から順に見ていくと、時間の内訳の見当がつきます。

相場の数字を眺める前に自社の作業がどれだけあるかを知っておくと、見積を受け取ったときに迷わずに済みます。作業の量を知る方法は、見積の前提を扱う節で具体的に示します。

経理コンシェルジュの料金の組み立て
項目金額の目安中身
月額(50時間パック)月16.5万円代表的な受注例
月額(100時間パック)月33万円任せる業務が多い場合
初期費用月額の1か月分業務の見える化・マニュアル化と社内研修
クラウド会計の初期設定自社で行う場合は不要当社に任せることも選べる

※月額は業務量に合わせた時間パックで、見積では業務ごとの時間を示します。表の金額は時間パックの例で、実際の月額はヒアリングで確認した作業量から決めます。

相場の数字が会社ごとにばらつく理由

インターネットで経理の外注料金を調べると、相場として示される数字には大きな幅があります。幅が広いのは、各社が料金に含める業務の範囲と、金額を決める単位がそろっていないからです。

記帳だけを請け負う料金と、支払や経費精算の処理まで含む料金は、同じ月額の欄に並んでいても中身が違います。範囲が狭いほど額面は小さく見えますが、残りの作業は社内に残ります。

相場の数字の幅に戸惑うのは、料金表の見出しが同じでも、その下に並ぶ条件が依頼先ごとに違うからです。月額という言葉一つをとっても、含まれる作業はまちまちです。

経理代行の費用を相場と見比べるときは、まず自社が任せたい業務の内訳を書き出し、その範囲を含む料金どうしで比べる必要があります。範囲をそろえずに額面だけを比べると、安く見えた見積が後から追加料金で膨らみます。

もう一つのずれは、料金の単位です。仕訳1件あたりで決める会社、作業時間で決める会社、業務の範囲で月額を固定する会社があり、単位が違えば同じ数字でも意味が異なります。

単位の違いは、料金表の小さな注記にしか書かれていないことがあります。見比べる前に金額の横にある条件の欄まで目を通しておくと、取り違えを防げます。

単位と範囲をそろえて初めて、提示された経理代行の費用が高いのか安いのかを判断できます。本当の相場は公表価格の平均からは見えず、自社の作業時間を基準にして初めて見えてきます。

調べた相場の数字は、範囲と単位の違いを知る手がかりとして使うのが安全です。自社の金額は、このあと取り上げる見積の前提から組み立てます。

同じ単位、同じ範囲で並べ直すと、額面の差は思ったほど大きくないこともあります。差が残るときは、確認作業やチェック体制の違いが表れていると考えられます。

相場を左右する料金の決め方は件数制と時間制と月額固定の3種類

3つの白い箱の前で、金色のコインを指先に持って見比べる経理担当の男性

外注料金の相場を左右する単位は、大きく件数制、時間制、月額固定の3種類に分かれます。どの単位にも利点があり、自社の業務の形に合うかどうかで向き不向きが決まります。

件数制は、仕訳や請求書の件数に単価を掛けて料金を出す方式です。件数が少ない月は安く済みますが、不明な取引の確認や問い合わせにかかる時間は件数に表れません。

単位の選び方は、毎月の作業量がどれだけ変動するかと深く関わります。量が安定している会社と、月によって大きく変わる会社とでは、向く料金の形が違います。

時間制は、作業にかかった時間をもとに料金を出す方式で、確認や照合の時間も料金に含まれます。経理代行の費用が何に使われたかを時間で説明できるため、作業の中身と金額のつながりが見えやすくなります。

月額固定は、決めた業務の範囲を毎月同じ金額で請け負う方式です。金額が読みやすい反面、範囲の外に出た作業をどう扱うかを契約前に確かめておかないと、追加の請求や対応の断りが起きます。

3つの単位の違いは、下の表のとおりです。件数で比べたくなるときは、確認作業の時間がどこに含まれているかを必ず尋ねてください。

年商3億〜80億円の会社では、月によって取引の件数や例外処理の量が変わります。量が変動しても経理代行の費用の根拠を説明できる点で、時間を単位にした料金は社内で予算を通すときにも扱いやすい方式です。

表の3つに優劣はありません。自社の取引の量と例外の多さに合う単位を選び、そのうえで相場と見比べるのが順序です。

月額固定で契約する場合も、範囲の外の作業を時間で精算する取り決めを添えておくと、追加の請求をめぐる行き違いが減ります。単位を一つに決めきれないときは、こうした組み合わせも選択肢になります。

単位の選び方に迷うときは、直近1年の月ごとの仕訳数を並べてみてください。多い月と少ない月の差が大きければ、確認の時間も含めて扱える時間制のほうが実態に合います。

料金の単位による比べ方の違い
料金の単位金額が決まる基準比べるときの注意
件数制仕訳や請求書の件数確認や問い合わせの時間が金額に表れない
時間制(時間パック制)月の契約時間業務ごとの時間を見て妥当さを確かめる
月額固定請け負う業務の範囲範囲の外に出た作業の扱いを契約前に確かめる

※料金の単位は各社の公表方法によって異なり、同じ依頼先でも業務ごとに単位が分かれることがあります。表は単位ごとの特徴の整理です。

時間パック制で月額が決まる仕組み

時間パック制は、月に使える作業時間を先に決め、その時間の範囲で経理の作業を引き受ける料金の形です。50時間、100時間のように契約時間を決めると、月額はその時間数に応じて決まります。

契約時間の中で何をどの順に処理するかは、毎月の業務の流れに合わせて組みます。記帳、入出金の確認、売掛金の消込、振込データの作成など、任せる作業をまとめて一つの時間枠で扱うのが特徴です。

時間パックの時間数は、ヒアリングで洗い出した作業ごとの内訳を足し上げ、その合計に近いパックを選んで決めます。初めの月は余裕を持たせた時間で提示し、実測の結果を見て契約時間を見直します。

経理代行の費用が時間で決まるため、時間の記録の正確さが料金の信頼を支えます。経理コンシェルジュでは、その日の作業をその日のうちに報告書へ記録し、時間は1分単位で残しています。

記録した稼働時間は、毎月第10営業日に実績として報告します。パックの時間を超えそうなときは見込みが立った時点で事前に連絡し、連絡なしに後から請求することはしません。

記録は登録と同時にロックされ、修正するときは理由を添えて本部が対応します。後から時間を書き換えられない仕組みが、報告する数字の確かさを支えます。

時間パックの利点は、契約時間の範囲内なら作業量が多少変動しても月額が変わらず、予算を組みやすい点です。経理代行の費用が予算どおりの額に収まりやすく、経営者は外注費を固定費に近い形で計画に入れられます。

超過が何か月も続くときは、作業の中身を見直したうえでパックの大きさを改める提案をします。時間数を決め直す前に、減らせる作業がないかを一緒に確かめるのが先です。

時間で管理する形には、経営者が外注先の働きぶりを数字で確かめられる利点もあります。毎月の報告を受け取るたびに、任せた作業と払った金額のつり合いを確かめてください。

見積前に確認する3つの数と経理代行の費用の関係

見積の精度と相場との比べやすさは、最初に集める数字で決まります。見積の前に確認するのは、銀行口座の数、クレジットカードの枚数、月の仕訳数の3つで、グループ会社がある場合はその口座も数に入れます。

3つの数は、毎月の作業のうち大きな部分を占める入出金の確認と記帳の量を表します。口座やカードが1つ増えるだけで、明細の取り込みと照合の作業が毎月発生します。

見積の前に集める数字は、多すぎても少なすぎても困ります。手間をかけずにそろえられて、しかも作業量をよく表す数字に絞っておくと、話を早く進められます。

3つの数がそろうまで金額を出さないのは、根拠のない数字で経理代行の費用を示すと、運用が始まってから時間が合わなくなるからです。数字を受け取ったあとは、1か月の業務を一件ずつ聞き取り、作業ごとの想定時間を内訳として足し上げます。

聞き取りでは、請求書の受け取り件数、経費精算の対象人数と件数、給与計算の対象人数と給与の形も確かめます。月次で決まって発生する作業は、担当者と頻度とあわせて一覧にします。

資料の置き場が決まっていない職場では、資料を探す時間がそのまま月の時間に加わります。置き場と集める担当を先に決めておくと、見積の時間も読みやすくなります。

ここまでの数字がそろえば、経理代行の費用は実際の作業量にもとづいて組み立てられ、相場とも同じ条件で比べられます。ヒアリングから契約までの目安は2〜3週間です。

1か月の業務を一件ずつ聞き取る段階を丁寧に進めるほど、契約後に時間が足りなくなるおそれは小さくなります。例外の取引まで聞き取りで出し切っておくことが、見積の精度を決めます。

給与計算は対象人数だけでなく、月給か時給かといった給与の形でも作業量が変わります。経費精算も、対象人数と月の件数の両方を見て時間を見積もります。見積から運用開始までの流れは次の4段階です。

  1. ヒアリング:1か月の業務を一件ずつ確認する
  2. お見積り:口座数・カード枚数・仕訳数をもとに作業ごとの想定時間を出し、業務別の時間を付けて提示する
  3. ご契約:見積の前提と、超過したときの扱いを確かめて契約する
  4. スタート:並行して運用しながら、安定した体制へ移る(ご契約から安定運用までの目安は3〜6ヶ月)

業務ごとの内訳が書かれた見積書の読み方

椅子に座り、手に持った白い書類を虫眼鏡でのぞき込む経理担当の女性

届いた見積書でまず確かめたいのは、合計金額より先に、業務ごとの時間の内訳が書かれているかどうかです。記帳に何時間、消込に何時間、振込データの作成に何時間と書かれ、その合計が50時間のパックに収まる形が読みやすい見積です。

見積書を読めば、委託先がこちらの業務をどこまで理解しているかが分かります。業務の聞き取りが丁寧だった委託先ほど、見積書の書き方も細かくなります。

相場の数字と見積の合計を見比べても、合計額の差しか分かりません。差の理由をつかむには、合計の手前にある業務ごとの数字を見る必要があります。

内訳が並んでいると、経理代行の費用のうち何に対していくら払うのかが一目で分かります。社内で決裁を取るときも、作業ごとの根拠を示せるので説明がしやすくなります。

内訳は、社内で減らせる作業を見つける手がかりにもなります。消込の時間が長ければ入金の照合ルールを見直す、振込データの時間が長ければ支払日をまとめるといった形で、社内でできる工夫と時間の削減を結び付けられます。

クラウド会計を新たに使う場合は、月額の時間パック、初期費用、クラウド会計の初期設定の3つで見積を組みます。初期設定は自社で行う選択肢も示し、その場合は費用がかからない代わりに、自社で設定する範囲を見積書に明記しておきます。

3つの構成と内訳がそろった見積なら、経理代行の費用を他社の見積と同じ基準で比べられます。合計額しか書かれていない見積を受け取ったときは、業務ごとの時間を出してもらうよう依頼してください。

見比べるときは、内訳の中で同じ業務に割り当てた時間が外注先ごとにどれだけ違うかに注目します。時間の差が大きい業務は、前提の取り違えがないかを確かめる価値があります。前提をそろえたうえで残る差が、作業の進め方や確認の丁寧さの違いです。

経理代行の初期費用が月額1か月分になる理由

棚に並ぶネイビーのバインダーの列に、1冊を差し入れる経理代行スタッフの女性

契約の最初には、月額の1か月分にあたる初期費用がかかります。この費用は、業務の見える化とマニュアル化、そして社内の担当者への研修に充てるものです。

立ち上げの時期には、今の業務を一つずつ棚卸しし、誰がいつ何をしているかを書き出します。書き出した内容は、そのまま外部と社内で作業を分ける前提になります。

棚卸しの段階では、担当者の頭の中にしかない手順や、紙のメモで引き継がれてきたルールも対象に含めます。担当者ごとにやり方が違っていれば、その違いもここで見つかります。

経理代行の初期費用で受け取る成果物は、サマリー、重要ポイント、経理ルール表、業務フロー図、業務分担表、月次スケジュールの標準資料6点です。運用が始まって2〜3か月がたち、業務の流れと分担が固まった段階で確定版を納品します。

確定版ができるまでは社内向けの下書きとして資料を更新し続けるため、立ち上げの間に起きた変更も反映されます。資料が手元に残るので、将来担当が変わったときや業務の一部を社内に戻すときにも使えます。

見える化の資料があると、毎月の作業で確認に使う時間が減り、月々の時間も安定します。初期費用が相場より高く見えて迷ったときは、経理代行の費用全体のうち、毎月の時間を減らすための先行投資として捉えると判断しやすくなります。

初期費用に見合うかどうかは、資料が実際の業務で使われ続けるかで決まります。作って終わりにせず、運用の中で更新される仕組みがあるかを契約前に確かめてください。

資料の更新を外注先だけに頼ると、社内の変更が伝わらず内容が古くなります。社内の窓口が変更点を伝える流れを、立ち上げの時点で決めておくと安心です。

業務の組み合わせで変わる経理代行の費用

必要な作業時間は、年商の大きさよりも業務の種類と件数で決まります。同じ年商でも、拠点の数や支払先の数が多い会社ほど、毎月の作業は増えます。

規模と時間の関係は、具体的な会社の姿を思い浮かべると理解しやすくなります。以下の事例は、いずれも業種と年商だけを示し、社名は伏せています。

事例ごとに任せた業務の組み合わせが違う点に注目します。組み合わせが変われば、同じ年商でも月の作業時間は大きく変わります。

年商80億円のシステム開発会社では、経理担当の長期休暇の間、月500件前後の振込データ作成と突合をチームで引き継ぎました。支払件数が多い会社は、振込まわりの時間が経理代行の費用の大きな部分を占めます。

年商3億円の輸入販売会社では、記帳と請求書の発行、支払の代行をまとめて任せています。記帳から支払までを一つの外注先にまとめると、資料の受け渡しが一か所で済みます。

年商5億円の教育グループは、担当1名が退職したあと、学校会計の経験者を含む3名の体制で決算までを終えました。担当が1名の会社ほど退職や休暇で業務が止まるおそれが大きく、引き継ぎに必要な時間も見積に入れておく必要があります。

経理担当が1〜3名の会社では、外に出す作業と社内に残す作業の分担によって、経理代行の費用が大きく変わります。振込の最終承認と実行、現物の管理は社内に残し、それ以外の定型作業を外に出すのが基本の形です。

相場の数字を自社に当てはめるときも、年商の近さより業務の組み合わせの近さを手がかりにするほうが外れにくくなります。自社と同じ業務を任せた例を探すと、時間の見当がつけやすくなります。

業務の組み合わせを書き出すときは、記帳、入出金の確認、消込、振込データの作成、経費精算、給与の連携のように作業を分けて書き出します。書き出した作業ごとに月の件数を添えておくと、見積の精度が上がります。

見積の内訳より時間が膨らむ原因

積み上がった段ボール箱の間に立ち、困った表情で見上げる経理担当の男性

見積どおりの時間で収まらない原因は、作業そのものより、決まっていないことの確認にあります。経費の規定が7〜8割決まっていれば処理も7〜8割は止まらずに進み、半分しか決まっていなければ、残りの半分は一件ずつ確かめる作業になります。

規定の決まり具合は、立ち上げの打ち合わせでどこまで詰められるかで決まります。打ち合わせの前に社内で考えをそろえておくと、決まらないまま残る項目が減ります。

決まっていない項目は、運用が始まると一件ごとに「どうしますか」という確認に変わります。確認の往復が多いほど作業は止まり、待ちの時間も積み上がります。

確かめる件数が増えれば、その分だけ時間が延び、経理代行の費用も増えます。立ち上げの前に規定をどこまで詰めておくかが、月々の金額を左右する最初の要因です。

初めの月は、按分の複雑さや経営側との調整、様式のすり合わせなど、外からは見えにくい作業が重なります。作業自体は軽く見えても最低限の時間を確保して提示し、実際にかかった時間を測ってから調整します。

業務の流れが見えないうちに時間の圧縮を約束すると、運用が始まってから数字が合わなくなります。最初は余裕を持たせた時間で始め、測った結果を見て時間数を詰めていくほうが、双方にとって無理がありません。

情報を小出しにすると、後から想定外の作業が見つかり、経理代行の費用が見積を大きく上回ります。口座、カード、例外の取引など、気になる点は見積の段階ですべて出しておくことが、時間の膨張を防ぐいちばん確かな方法です。

見積の内訳と実際の時間のずれは、毎月の稼働報告で早めに見つけられます。ずれが小さいうちに原因を話し合えば、契約時間の見直しも穏やかに進められます。

時間が見積を超え続けると外注先との信頼が崩れ、契約の打ち切りに至ることもあります。超過を早い段階で止めることが、双方の負担を減らします。

時間パックの超過時間の扱いは契約前に決めておく

時間パック制で気をつけたいのは、契約時間を超えたときの扱いです。決算の月や担当者の交代が重なる月は、普段より作業が増えることがあります。

超過の扱いは、契約書の条項だけを読んでも分かりにくいことがあります。運用の中で誰がいつ超過を判断し、どう知らせるのかを、担当者に具体的に尋ねておくと確かです。

取り決めがあいまいなまま始めると、作業が増えた月に追加の請求をめぐって話がこじれます。金額の話は、関係が良いうちに決めておくのが得策です。

超過の見込みが立った時点で事前に知らせ、連絡なしに事後請求しない取り決めがあれば、月末に思わぬ請求が届く心配は小さくなります。経理代行の費用の予算を守るためにも、超過をどう連絡し、どう清算するかを契約書で確かめてください。

稼働の実績を毎月決まった日に報告する仕組みがあれば、超過が続いているかどうかを数字で追えます。超過が数か月続くなら、作業の中身を見直すか、契約時間そのものを改めるかを判断します。

契約期間の縛りも確かめておきたい点です。長期の縛りがなく、1か月前の連絡で解約できる契約なら、試しに始めて合わなければやめるという選択がとれます。

外注先との契約は、人材派遣とは異なる業務委託です。リーダー1名と実務担当3〜4名の固定チームで受ける形なら、担当の休みや退職で作業が止まりにくく、経理代行の費用に引き継ぎのやり直しの時間が上乗せされにくくなります。

固定チームで受ける形なら、入力や照合を二人以上で確かめる体制も組みやすくなります。誤りが少なければ、やり直しにかかる時間も減ります。

担当が1名だけの外注先では、その担当が休むと作業が止まり、引き継ぎの時間が改めて発生します。契約前に、何名で受けるのか、担当が休んだときに誰が作業を代わるのかを確かめてください。

妥当な経理代行の費用を見極める判断基準

壁のマス目のボードに白いカードを当てる経営者の男性

提示された金額が妥当かどうかは、合計の大小より、内訳と根拠の示し方で判断できます。経理コンシェルジュでは、見積額が想定の1.5倍を超えると検討されずに終わることを前提に見積を組んでいます。想定とのずれが大きいときは、理由を尋ねてから判断してください。

金額の妥当さは、外に出したあとに何が変わるかでも測れます。年商20億円のエンタメ・芸能関連の会社は、後任の採用に苦戦したあと、業務の流れを組み直して月次決算を早めました。

相場と比べて高く見える見積でも、内訳と前提がはっきりしていれば、自社の作業量に見合った金額であることがあります。根拠の薄い安い見積は、運用が始まってから時間が足りず、経理代行の費用が後から増える原因になります。

安さだけで外注先を選ぶと、立ち上げの段階で確認の時間が足りず、月次の締めが遅れることがあります。締めが遅れれば、数字を使った判断も遅れます。

相場より高い見積を受け取ったときは、断る前に、どの業務に時間を多く見込んでいるかを尋ねてください。その業務の進め方を社内で変えられるなら、時間を減らした見積を出し直してもらえます。

次の4つの基準を満たす見積なら、経理代行の費用を月々の固定費として計画に組み込めます。月額をさらに具体的に組み立てたい方は、経理代行の月額が任せる業務の量で決まる仕組みを参考にしてください。

判断の基準は、見積書の書き方と契約の取り決めの両方にまたがります。どれか一つでも欠けている見積は、契約の前に説明を求めてください。

4つの基準は、外注先を選ぶときにも、契約後に見直すときにも使えます。半年ごとに見積と実績を並べ、基準に照らして確かめておくと安心です。

  • 業務ごとの時間が書かれている
  • 口座数・カード枚数・仕訳数を確かめたうえで出されている
  • 超過したときの連絡と清算の方法が決まっている
  • 初期費用で受け取る成果物が示されている

経理コンシェルジュ事務局からのコメント

経理代行の費用を「月にいくら」と答えるには、口座やカードの数と、ひと月の作業の流れを先に知る必要があります。数字がそろえば、作業ごとの時間を積み上げて月額を示せます。

気になる取引や例外は、最初の打ち合わせで遠慮なく出してください。社内の段取りが整うほど作業時間は短くなり、経理代行の費用も安定していきます。

経理代行の費用の内訳に分からない点があれば、契約の前に何度でも尋ねてください。納得してから始めることが、長く続く関係の前提になります。

株式会社タックスコム 代表取締役 山下健一

執筆責任者|株式会社タックスコム 代表取締役

山下 健一

税理士紹介を20年、1,600名以上の税理士所長と面談。2002年に経理代行会社で経理実務を始め、ITベンチャーの財務管理責任者、複数社のCFOを経て、経理コンシェルジュで中小企業の経理を預かる。プロフィール

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